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ミッドセンチェリー・モダンデザインの巨匠たち。

ミッドセンチェリー・モダンデザインの巨匠たち。

この写真は、1961年の7月にプレイボーイ誌の ”Designs for Living” と題された「美しさと機能美を備えた、ミッドセンチェリーのデザイナーを賞賛」という記事の一コマです。
家具やデザインに興味がある方であれば、一度は目にした事がある写真だと思います。ミッドセンチェリー・モダンって言葉は知っていましたが、それ自体を理解していなかったので調べてみました。まずはミッドセンチェリー・モダンを代表するデザイナーと代表作品を、向かって左から、

 

  • George Nelson (1908-1986) 建築家、デザイナー。サービング・カート。
  • Edward J. Wormley (1907-1995) 家具デザイナー。キャプテン・チェアー。
  • Eero Saarinen (1910-1961) フィンランド出身の建築家、工業デザイナー。ウーム・チェア。
  • Harry Bertoia (1915–1978) イタリア出身の工業デザイナー、版画家や彫刻家。ダイアモンド・チェア。
  • Charles Eames (1907–1978) with Bernice Alexandra “Ray”(1912-1988 ) デザイナー、家具デザイナー, 工業、グラフィックデザイン、近代アート、映画。DCM(Dining Chair Metal Base)チェア。
  • Jens Risom (1916–) デンマーク出身の家具デザイナー。プレイボーイ・アームチェア。

 

20世紀初頭に起った初期のモダン・デザインが、テクノロジーに裏打ちされた合理的なデザインであるのに対して、シンプルで、美しさや楽しさと機能美を備えたデザインを、ミッドセンチェリー・モダンと位置づけているようです。出身国も異なる彼らが共通している点は、『美しく実用的で、自由で癒しを与え、生活を向上させる拠り所であり、シンプルな遊び心があり、他のものと融合できるもの』です。これがミッドセンチェリー・モダンのデザイン・フィロソフィーなのです。
写真にあるように、色や素材・用途も異なる個性ぞろいの家具たちですが、不思議とお互いがお互いに共鳴しあって、邪魔し合わない、寄り添う要素を持っています。半世紀が経った現在でも、色褪せるどころか当時のまま変わらず販売されているものもあり、依然として高い人気を誇っています。美しさや楽しさと機能美を備えたデザインは、時代を超えて長持ちする、という証明なのかも知れません。

(追記)
アートムーブメントの変遷
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に起こった国際的なアートムーブメント「アール・ヌーヴォー」が起こります。アール・ヌーヴォーは、鉄やガラスといった当時の新素材を利用した作品が特徴で、建築、工芸品、グラフィックデザインなど多岐に渡り、富裕層向けの一点制作のものなどが多く作られました。その後、1910年代半ばから1930年代にかけて、ヨーロッパ周辺国とニューヨークを中心に「アール・デコ」と呼ばれる新しい波が起こります。NYCにあるクライスラービルや、エンパイアステイトビルディングなどが、アール・デコ建築の代表作だそうです。アール・デコのデザインも、一点ものも多かったものの、大量生産とデザインの調和を取ろうとしたとあります。
そして、このような世界的なアートムーブメントが、時代の生活様式や文化の変化により、より自由な雰囲気を持ったミッドセンチェリー・モダンへと繋がります。流れを追ってみると、ミッドセンチェリー・モダンの出現は、ごく自然な流れだったことが理解できますよね。日本でミッドセンチェリー・モダンと言えば、1960年代の誕生から変わらないスタイルで人気の、愛知県のカリモク株式会社(刈谷木材工業)のKチェアーも有名ですよね。現代の家具や建築の様式って、どうなってるんだろう…。ムーブメントのようなものがあるのかどうなのかも含め、もっと掘り下げてみたいです。

 

参考:Wikipedia